改善事例 3
C社 居酒屋チェーン
アルバイト社員300名
パート・アルバイトにも人事制度を設けることで、切磋琢磨する風土が生まれ、店舗が活性化!
パート・アルバイト社員に人事制度を設けるには、下記の3点を考えておく必要があります。
1. 仕事レベルの判定 & 頑張りの評価
2. 時給決定ルールの工夫
3. その他、働き甲斐のあるモチベーション施策
時給の構成
パート・アルバイト社員が働く目的は、ほとんどの場合が金銭(生活費や学費の補助)です。特に店舗系のサービス業では、「良好な人間関係」の次に、「時給の高さ」が重視される傾向があります。だからと言って、無尽蔵に人件費をアップさせるわけにはいきません。そこで、改めて考えて下さい。
採用・定着に、本当にその時給が必要でしょうか?
下記の様に、時給の根拠を明確にしておくことで、人気職種に人が集中することや、根拠の薄い“地域特性”といったものに惑わされず、本当に必要な時給を設定することができます。
仕事レベルに応じた項目
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構成項目 |
内容 |
1 |
役割責任 |
仕事レベルがアップすることで昇給する(別途、ランクアップ制度が必要) |
2 |
役職給 |
部署責任者やパートリーダー等、一定の責任を負う者に加給する |
3 |
評価給 |
人事評価の結果により加給・減給する(半年ごとに時給が変動する 等) |
ニーズに応じた項目
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構成項目 |
内容 |
4 |
職種給 |
職種ごとの難易度、一般的な人気・不人気により加給する |
5 |
地域給 |
その地域での “採用の難しさ” により加給する |
6 |
曜日・時間帯給 |
盆・正月、GW、土日祝、夕方など、シフトを充実させにくい場合に加給する |
7 |
繁忙期加給 |
新店オープン時のみ加給し、一定期間の後に減給する |
8 |
シフト貢献加給 |
月の勤務時間が一定時間を超えた場合に“貢献度大”と判断し加給する |
その他
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構成項目 |
内容 |
9 |
賞与 |
半期に一度、条件をクリアしたパート社員に一定額の寸志を支給する |
10 |
大入り |
日割予算の達成率が120%以上の場合に支給する(土日祝のみ) |
※複雑な時給体系は好まれないため、見せ方には注意が必要です。
様々な活性化施策
“仕事レベルの判定”や“頑張りの評価”、それによる“時給決定ルールの工夫”以外であれば、以下のような取り組みが重要となります。
パート・アルバイト社員は、正社員以上にモチベーション施策の工夫が必要となりますので、費用対効果を考慮して取り組んでみて下さい。
|
施設 |
内容 |
1 |
ネーミングの工夫 |
「パートさん」「バイトくん」といった呼び方では、せっかくの色々な活性化策も効果は半減します。マクドナルド社の「クルー(乗組員)」、ディズニーランドの「キャスト(出演者)」など、呼称を工夫することも大切です。 |
2 |
パート・リーダーの任命 |
パート社員の取りまとめ役として任命します。人選を間違えると、思わぬ混乱を招くことになるため、注意が必要です。 |
3 |
マイスター制度 |
特定のスキルに対して社内認定資格を設ける仕組みです。「麺職人」などが認定できればいいですが、「笑顔マイスター」などでもOKです。 |
4 |
インセンティブ制度 |
社員へのインセンティブ制度を設けている場合、それをパート社員にも流用します。少額でモチベーションにつなげることができます。 |
5 |
提案コンクール制度 |
「パート社員の目線≒顧客目線」であるため、特に小売・サービス業においては有効な施策となります。現場改善や商品開発につい
て実施し、採用された場合に金一封を支給します。 |
6 |
永年勤続表彰制度 |
5年勤続、10年勤続など、仕事のマンネリ化が発生するタイミングでモチベーションを喚起します。 |
7 |
正社員登用制度 |
一定以上の実力を発揮するパート社員に対し、正社員登用の門戸を設けます。ただし、現実は 「想定していた働きをしてくれない」 場
合が多いため、一定期間は契約社員として雇用するのがコツです。 |
8 |
他店視察制度 |
半分は旅行、半分は研修を目的に行います。遠方の同業他社を視察したり、有名ホテルで一流のサービスを受けたりするのが有効です。 |
9 |
パート店長制度 |
パート社員でありながら店長職を可能にする等、昇進・昇格の上限を引き上げます。 |
さらに…
称賛の場を設けることで効果を倍増させます。
1. 朝礼時に表彰する
2. 会議時に表彰する
3. 社内報にて取り上げる
4. FAX等で通達として流す
5. 名札へ表記する
6. バックヤードに掲示する
など